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【予定納税・中間申告】所得税・消費税・法人税・地方税はいくら?|計算の順番と端数処理がわかるシミュレーションつき(2026年版)

公開 2026.10.14

予定納税・中間申告はいくら払う?所得税・消費税・法人税・地方税の計算

「税務署から予定納税の通知が届いたけど、この金額はどう計算されているの?」「法人の中間申告は、前期の税額を何で割って何をかければいい?」というご質問をよくいただきます。

予定納税・中間申告は、前の年(前の期)の税額をもとに、今年の税金の一部を先に納めるしくみです。計算そのものは単純ですが、税目によってかけ算と割り算の順番や端数を切り捨てるタイミングが違い、順番を間違えると100円単位で金額がずれることがあります。この記事では、条文の書き方どおりの順番で、税目ごとに整理します。記事の途中に、前年の税額を入れると各回の金額と計算の途中経過がわかるシミュレーションも用意しました。

予定納税・中間申告とは

所得税・消費税・法人税などは、本来は1年分(1事業年度分)をまとめて確定申告で納めます。ただ、前の年の税額が一定以上ある人・会社は、年の途中で前年の実績をもとに一部を先払いします。個人の所得税ではこれを「予定納税」、消費税や法人税では「中間申告(中間納付)」、法人の地方税では「予定申告」と呼びます。

先に納めた金額は、確定申告のときに1年分の税額から差し引かれます。納めすぎていれば還付され、足りなければ差額を納めます。払った分が損になるわけではありませんが、資金繰りには大きく影響するので、いつ・いくら払うのかを早めに把握しておくことが大切です。

一覧:だれが・いつ・いくら納めるか

税目納める人回数・時期1回の金額(原則)
所得税・復興特別所得税(個人)予定納税基準額が15万円以上年2回:第1期 7月、第2期 11月予定納税基準額 × 1/3
消費税・地方消費税(個人・法人)直前の課税期間の消費税額(国税分)が48万円超税額に応じて年1回・3回・11回直前の消費税額 ÷ 月数 × 6(年1回の場合)+ その22/78
法人税・地方法人税前期の法人税額をもとにした額が10万円超年1回:期首から6か月を過ぎてから2か月以内前期の税額 ÷ 前期の月数 × 6
法人住民税・法人事業税など(法人)法人税の中間申告が必要な法人法人税と同じ法人税割は 前期の税額 × 6 ÷ 前期の月数、事業税は ÷ 月数 × 6
個人住民税・個人事業税予定納税のしくみはない——

前年(前期)の申告書のどこを見ればいい?

計算のもとになるのは、中間納付額を差し引く前の、1年分の税額です。申告書の「納付税額」「差引確定〇〇税額」の欄は、すでに中間納付した分を引いたあとの金額なので、そのまま使うと少なく計算してしまいます。

使う金額見る書類と欄
所得税の予定納税基準額6月に届く「予定納税額の通知書」の「予定納税基準額」 目安:前年の確定申告書 第一表 ㊿「申告納税額」(令和7年分の様式。譲渡・一時・雑所得などがある年は異なる)
消費税の確定消費税額消費税の確定申告書 第一表 ⑨「差引税額」(一般用・簡易課税用とも同じ番号) ⑪「納付税額」は中間納付額を引いた後の額なので使わない
法人税額法人税申告書 別表一 ⑬「差引所得に対する法人税額」 ⑮「差引確定法人税額」は使わない。土地譲渡利益金額に対する税額などがある場合は、その分を除いた額が基準になる
地方法人税額別表一 ㊳「差引地方法人税額」(㊵ではない)
防衛特別法人税額別表一次葉一 57「差引防衛特別法人税額」(令和9年4月以後に始まる事業年度の中間申告から)
法人住民税の法人税割額・事業税額・特別法人事業税額前期の確定申告書(東京都は第六号様式)で計算した1年分の税額(中間納付額を差し引く前) 予定申告書の「前事業年度の法人税割額」「前事業年度の事業税額」「前事業年度の特別法人事業税額」の欄に入る金額

e-Taxを使っている法人には、メッセージボックスに「予定申告のお知らせ」が届き、前事業年度の法人税額・地方法人税額と納める金額が書かれています。お知らせがある場合は、その金額と下のシミュレーションの結果を見比べてみてください。

端数処理と計算の順番の基本ルール

税目ごとの説明の前に、すべてに共通するルールを押さえておきます。

  • 最後に100円未満を切り捨てる:国税は、納める金額(確定金額)に100円未満の端数があれば切り捨てます(国税通則法119条)。地方税も同じく100円未満を切り捨てます(地方税法20条の4の2)
  • 計算の途中の1円未満も切り捨てる:国税では、金額を計算する途中で1円未満の端数が出たら、その時点で切り捨てます(国税通則法基本通達119条関係6)。たとえば「月数で割る」と小数が出ることがあるので、割った時点で1円未満を切り捨ててから次の計算に進みます
  • 切り捨てた端数はあとで精算される:予定納税・中間申告で切り捨てた分は、確定申告で1年分の税額を計算するときに精算されます。次の回に繰り越したり、第1期に寄せたりはしません
  • かけ算と割り算の順番は条文どおり:国税(消費税・法人税など)の中間申告は「月数で割ってから6をかける」、法人住民税の法人税割は「6をかけてから月数で割る」と、税目によって順番が逆です

所得税・復興特別所得税の予定納税

予定納税が必要な人

前年分の所得や税額をもとに計算した予定納税基準額が15万円以上の人です。対象になる人には、税務署から6月15日までに「予定納税額の通知書」が届きます。

予定納税基準額は、前年分の所得税額から源泉徴収された税額を差し引いた金額に、復興特別所得税(その2.1%)を加えた額です。ただし、譲渡所得・一時所得・雑所得・臨時所得など毎年あるとは限らない所得は、なかったものとして計算します(所得税法104条、復興財源確保法16条)。そのため、前年に不動産や株を売った人などは、前年の確定申告書の納税額と予定納税基準額が一致しないことがあります。

金額の計算と端数処理

第1期・第2期とも、予定納税基準額の3分の1を納めます。3分の1にした金額に100円未満の端数があれば切り捨てます。

計算例:予定納税基準額 500,000円 500,000円 ÷ 3 = 166,666.67円 → 100円未満切捨て → 第1期 166,600円・第2期 166,600円(合計 333,200円) 切り捨てた分を含め、1年分の税額との差額は確定申告で精算します。

3分の1にしてから切り捨てるので、第1期と第2期は必ず同じ金額になります。所得税と復興特別所得税は分けずに、合計額で計算・納付します。

納付の時期と減額申請

  • 第1期:7月1日〜7月31日
  • 第2期:11月1日〜11月30日(令和8年分は11月1日が日曜日のため、11月2日〜11月30日)
  • 減額申請:今年の所得が前年より大きく減りそうなときは、「予定納税額の減額申請書」を出せます。6月30日の状況で見積もる場合は7月15日まで(第1期・第2期分)、10月31日の状況で見積もる場合は11月15日まで(第2期分)です

なお、国税庁は、令和8年度税制改正による基礎控除の見直しは予定納税額の計算に反映されていないと案内しています。その分は確定申告で精算されます。

消費税・地方消費税の中間申告

中間申告が必要な事業者と回数

直前の課税期間の確定消費税額(地方消費税を含まない国税分)で、回数が決まります(消費税法42条)。

直前の課税期間の確定消費税額中間申告の回数1回の消費税額
48万円以下不要(任意の中間申告を選ぶことはできる)—
48万円超 400万円以下年1回直前の税額 ÷ 月数 × 6
400万円超 4,800万円以下年3回直前の税額 ÷ 月数 × 3
4,800万円超年11回直前の税額 ÷ 月数

計算の順番と端数処理

条文は「直前の課税期間の確定消費税額を、直前の課税期間の月数で除し、これに六を乗じて計算」と書いています。順番どおりに、月数で割る → 1円未満を切り捨てる → 6(年3回なら3)をかける → 100円未満を切り捨てるの順で計算します。直前の課税期間が12か月未満(設立1期目など)のときは、その月数で割ります。

あわせて納める地方消費税は、消費税の中間納付額(100円未満を切り捨てたあとの額)に22/78をかけ、100円未満を切り捨てます。

計算例(年1回):直前の確定消費税額 900,000円 900,000円 ÷ 12 = 75,000円 → × 6 = 450,000円 → 消費税 450,000円 450,000円 × 22 ÷ 78 = 126,923.08円 → 100円未満切捨て → 地方消費税 126,900円(合計 576,900円) 計算例(年3回):直前の確定消費税額 6,000,000円 6,000,000円 ÷ 12 = 500,000円 → × 3 = 1,500,000円 → 消費税 1,500,000円+地方消費税 423,000円 を年3回

期限・仮決算・任意の中間申告

  • 期限:中間申告の対象期間の末日の翌日から2か月以内。個人事業主で年1回なら、1月〜6月分を8月31日までに申告・納付します
  • 仮決算:前年の実績ではなく、中間期間を実際に締めて計算した税額で申告することもできます(消費税法43条)。ただし、計算した税額がマイナスでも還付は受けられません
  • 任意の中間申告:直前の税額が48万円以下でも、届出書を出せば年1回の中間申告をして、納税を分けることができます
  • 出し忘れたとき:期限までに中間申告書を出さなかった場合は、前年の実績による中間申告をしたものとみなされます。納付が遅れると延滞税がかかります

なお、令和9年4月1日から令和11年3月31日までの2年間は飲食料品の消費税率が引き下げられ、国税庁はこれにあわせて中間申告の計算方法の特例が設けられると案内しています。この期間にかかる中間申告では、国税庁の最新の案内を確認してください。

法人税・地方法人税の中間申告

中間申告が必要な法人

事業年度が6か月を超える普通法人で、前事業年度の確定法人税額 ÷ 前事業年度の月数 × 6 が10万円を超える法人です(法人税法71条)。10万円以下なら中間申告は不要です。

計算の順番と端数処理

条文は「前事業年度の法人税額を、前事業年度の月数で除し、これに中間期間の月数を乗じて計算」と書いています。国税庁の質疑応答事例でも、月数で割った時点で1円未満を切り捨て、その整数に6をかける方法が正しいとされています。最後に100円未満を切り捨てます。

地方法人税(前期の地方法人税額 ÷ 月数 × 6)も同じ順番・同じ端数処理です。地方法人税だけで10万円の判定はせず、法人税の中間申告が必要な法人が申告します。

順番を間違えると100円ずれる例

前期(12か月)の確定法人税額が1,200,200円の会社で計算してみます。

計算の順番途中の計算中間納付額
正しい順番(割ってから1円未満切捨て → ×6)1,200,200 ÷ 12 = 100,016.67 → 100,016円 100,016 × 6 = 600,096円600,000円
間違った順番(×6 してから割る)1,200,200 × 6 = 7,201,200 7,201,200 ÷ 12 = 600,100円600,100円

たった100円ですが、申告書の金額が通知や計算と合わなくなる原因になります。表計算ソフトで計算するときは、ROUNDDOWN(または INT)で割った時点の1円未満を切り捨ててから6をかけ、最後に100円未満を切り捨てるようにしましょう。

期限と仮決算

  • 期限:事業年度開始の日から6か月を経過した日から2か月以内。3月決算の会社なら、4月〜9月分を11月30日までに申告・納付します
  • 仮決算:前期の実績ではなく、6か月で仮に決算をして計算した税額で申告することもできます(法人税法72条)。ただし、仮決算の税額が前期実績による金額を超える場合や、前期実績による金額が10万円以下で中間申告が不要な場合は使えません。法人税で仮決算をしたときは、地方法人税も仮決算で申告します
  • 出し忘れたとき:期限までに中間申告書を出さなかった場合は、前期実績による中間申告をしたものとみなされます(法人税法73条)。納付が遅れると延滞税がかかります

防衛特別法人税の中間申告は令和9年4月以後に始まる事業年度から

令和8年4月1日以後に始まる事業年度から、法人税額が年500万円を超える部分に4%の防衛特別法人税がかかります。ただし、防衛特別法人税の中間申告は、令和9年4月1日以後に始まる事業年度からです。計算方法は地方法人税と同じで、前期の防衛特別法人税額 ÷ 月数 × 6(割った時点で1円未満切捨て、最後に100円未満切捨て)です。

法人の地方税(法人住民税・法人事業税)の予定申告

法人税の中間申告が必要な法人は、法人住民税・法人事業税・特別法人事業税も同じ期限までに予定申告をします。ここでは東京23区の法人(都税事務所に申告)を例にします。

法人住民税の法人税割:かけてから割る

法人税割の予定申告額は、前事業年度の法人税割額 × 6 ÷ 前事業年度の月数で計算し、100円未満を切り捨てます(地方税法施行令8条の6)。国税とは逆に、6をかけてから月数で割る順番です。

中間申告の法人税額に税率をかけるのではなく、前期の法人税割の額をもとにする点に注意してください。仮決算で申告する場合だけは、仮決算の法人税額(1,000円未満切捨て)に税率をかけて計算します。

均等割:年額の半分

均等割は、年額 × 6 ÷ 12(事業年度開始から6か月の間に事務所があった月数)で計算し、100円未満を切り捨てます。前期の月数ではなく12で割るのがポイントです。東京23区で資本金1,000万円以下・従業者50人以下なら、年7万円 → 予定申告は3万5,000円です。

法人事業税・特別法人事業税:割ってからかける

法人事業税は、前事業年度の事業税額 ÷ 前事業年度の月数 × 6で計算し、100円未満を切り捨てます(地方税法72条の26)。特別法人事業税も同じく「前期の特別法人事業税額 ÷ 月数 × 6」で、事業税とあわせて申告・納付します。

なお、資本金1億円超などの外形標準課税の対象法人は、法人税の中間申告が不要でも事業税の中間申告が必要になる場合があります。

個人の住民税・事業税に予定納税はない

  • 個人住民税:予定納税のしくみはありません。前年の所得をもとに市区町村が税額を決め、自営業の人は原則として6月・8月・10月・翌年1月の4回に分けて納めます(普通徴収)。年税額を4回に分けたときの1,000円未満の端数は第1期にまとめるので、第1期だけ金額が大きくなることがあります
  • 個人事業税:予定納税のしくみはありません。都道府県から届く納税通知書で、原則として8月と11月に納めます

予定納税・中間申告シミュレーション

前年(前期)の税額を入れると、各回の納付額と、どこで割って・かけて・切り捨てたかの途中経過を表示します。個人事業主のタブでは所得税と消費税、法人のタブでは法人税・地方法人税・法人住民税・法人事業税・特別法人事業税・消費税を計算します。

予定納税・中間申告シミュレーション

2026年10月時点の法令で、前の年(前の期)の税額から計算します。計算の途中経過と、端数を切り捨てた場所も表示します。

※ 国税は、計算の途中で出た1円未満を切り捨て、最後に100円未満を切り捨てます。法人住民税の法人税割だけは「6をかけてから月数で割る」順番です。
※ 仮決算による中間申告、外形標準課税の法人、東京23区以外の税率、令和9年4月以後の飲食料品の税率引下げに伴う消費税の特例などは考慮していません。実際の金額は税務署・都税事務所から届く通知書や申告書で確認してください。

よくある質問

Q. 予定納税の通知が来ません。払わなくていいのですか?

予定納税基準額が15万円未満の場合や、前年に納める所得税がなかった場合は、予定納税はありません。所得が増えていても、今年の分は翌年の確定申告でまとめて納めます。

Q. 予定納税で払いすぎたらどうなりますか?

確定申告で1年分の税額から予定納税額を差し引き、払いすぎた分は還付されます。今年の所得が前年より大きく減りそうなら、減額申請(7月15日・11月15日まで)で予定納税額を減らすこともできます。

Q. 中間申告の金額を、自分で計算した金額で申告してもいいですか?

前期(前年)の実績による金額のほかに選べるのは、仮決算による金額だけです。適当な見込み額で申告することはできません。仮決算には、法人税では「前期実績による金額を超える場合は使えない」などの制限があります。

Q. 表計算ソフトで計算するときの注意は?

国税(消費税・法人税・地方法人税など)は「月数で割る → ROUNDDOWNで1円未満切捨て → 6をかける → ROUNDDOWNで100円未満切捨て」、法人税割は「6をかける → 月数で割る → 100円未満切捨て」の順にしてください。途中で四捨五入したり、最後だけ切り捨てたりすると、金額がずれることがあります。

まとめ

  • 予定納税・中間申告は、前年(前期)の税額をもとにした先払い。確定申告で精算される
  • 所得税は予定納税基準額15万円以上で年2回、各回は3分の1を100円未満切捨て(第1期と第2期は同額)
  • 消費税は前期の税額で年1回・3回・11回が決まる。月数で割って1円未満切捨て → ×6(×3)→ 100円未満切捨て、地方消費税はその22/78
  • 法人税・地方法人税・事業税は割ってからかける、法人住民税の法人税割だけはかけてから割る
  • 端数の切り捨ては計算の途中(1円未満)と最後(100円未満)。順番を間違えると100円ずれることがある

新宿パートナーズ税理士事務所では、予定納税・中間申告の金額の確認や、仮決算をしたほうがよいかの判断、資金繰りを考えた納税スケジュールづくりもお手伝いしています。お気軽にご相談ください。

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ご注意

本記事は2026年10月14日時点の法令・情報にもとづいて作成しています。税制は改正されることが多いため、お読みいただく時期によっては内容が変わっている場合があります。また、記事は一般的な情報をわかりやすくお伝えするためのもので、実際の取り扱いはお一人おひとりのご事情によって異なることがあります。内容には十分に注意しておりますが、本記事をもとにしたご判断の結果については責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。個別のご相談は、どうぞお気軽に当事務所へお問い合わせください。

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