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源泉所得税の「納期の特例」とは?半年に1回まとめて納付する方法と注意点
公開 2026.10.11

給与や税理士への報酬を支払うときに天引きした源泉所得税は、原則として、支払った月の翌月10日までに納付しなければなりません。毎月の手続きは、小さな会社にとって負担です。
そこで使えるのが「納期の特例」です。承認を受ければ、半年分をまとめて年2回の納付にできます。
納期の特例を使える人
給与を支払う人数が常時10人未満の会社や個人事業主が対象です。
- 「常時」は普段の状態で判断します。繁忙期だけ臨時に人を増やす場合は、10人未満として扱えます。
- 日雇いの人を普段から雇っている場合は、その人数も含めて数えます。
対象になる源泉所得税・ならないもの
対象になるのは、次の源泉所得税だけです。
- 給与・賞与、退職金
- 税理士・弁護士・司法書士などへの報酬
原稿料・講演料・デザイン料などの報酬は対象外です。これらは、納期の特例を受けていても、支払った月の翌月10日までに納付する必要があります。
納付の期限
| 支払った月 | 納付期限 |
|---|---|
| 1月〜6月 | 7月10日 |
| 7月〜12月 | 翌年1月20日 |
期限が土日祝日の場合は、その翌日(休日明け)が期限になります。たとえば2027年7月10日は土曜日なので、期限は7月12日(月)です。
区分は「実際に支払った月」で判断します。たとえば12月分の給与を翌年1月に支払った場合は、1月〜6月分として7月10日に納付します。
申請のしかた
「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を、給与を支払う事務所の所在地を管轄する税務署に提出します。e-Taxでも提出できます。いつでも提出できますが、会社を作ったときや、初めて人を雇ったときに一緒に出しておくのが一般的です。
- 提出した月の翌月末までに税務署から却下の通知がなければ、承認されたものとみなされます。
- 適用されるのは、提出した月の翌月に支払う分からです。たとえば2月に提出した場合、2月支払分は3月10日に納付し、3月〜6月支払分を7月10日にまとめて納付します。
人数が10人以上になったら
給与を支払う人数が常時10人以上になったら、「源泉所得税の納期の特例の要件に該当しなくなったことの届出書」を提出し、毎月納付に戻ります。届出をした月によって、納付の区切り方が変わるので注意しましょう。
支払いがなくても「0円」の提出が必要
e-Taxやキャッシュレスで納付している場合は、源泉所得税がない期間でも、0円の「徴収高計算書」の提出が必要です。
納付が遅れたときのペナルティ
期限までに納付しないと、次のような負担が生じます。
- 不納付加算税:原則10%。税務署から指摘される前に自分で納付した場合は5%。さらに、期限から1か月以内に自主的に納付し、過去1年間に遅れたことがないなどの条件を満たせば、かかりません。
- 延滞税:期限の翌日から納付した日までの日数に応じてかかります。2026年の割合は、2か月以内は年2.8%、それ以降は年9.1%です。
「知らなかった」「勘違いしていた」は、遅れてもよい正当な理由にはなりません。期限はカレンダーに入れておきましょう。
2027年からの変更点(防衛特別所得税)
2027年(令和9年)1月以後の所得から、所得税額の1%が「防衛特別所得税」として加わり、そのぶん復興特別所得税が2.1%から1.1%に下がります。合計は変わらないため、源泉徴収する税額の計算は今までと同じです。
まとめ
- 給与の支払人数が常時10人未満なら、申請すれば半年に1回の納付にできる。
- 対象は給与・退職金・税理士等の報酬だけ。原稿料・デザイン料などは毎月納付。
- 期限は7月10日と1月20日。「支払った月」で区切る。
- 申請しないと特例は使えない。適用は提出した翌月の支払分から。
当事務所では、納期の特例の申請書の提出も承っています。お気軽にご相談ください。
ご注意
本記事は2026年10月11日時点の法令・情報にもとづいて作成しています。税制は改正されることが多いため、お読みいただく時期によっては内容が変わっている場合があります。また、記事は一般的な情報をわかりやすくお伝えするためのもので、実際の取り扱いはお一人おひとりのご事情によって異なることがあります。内容には十分に注意しておりますが、本記事をもとにしたご判断の結果については責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。個別のご相談は、どうぞお気軽に当事務所へお問い合わせください。
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