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【会社を設立したらやること】税務・社会保険の届出チェックリスト(期限つき)
公開 2026.10.08

設立登記が終わって「やっと会社ができた!」とひと安心……したいところですが、実はここからが手続きの本番です。
税務署や都道府県、年金事務所などへの届出には期限があり、出し忘れると税金で損をしたり、あとから手続きが大変になったりします。
この記事では、会社を設立したらやることを、チェックリスト形式でまとめました。
まずは全体像:期限つきの手続き一覧
| 手続き | 提出先 | 期限の目安 |
|---|---|---|
| 健康保険・厚生年金保険の新規適用届 | 年金事務所 | 設立(適用事業所となった日)から5日以内 |
| 法人設立・設置届出書 | 都道府県税事務所・市区町村 | 自治体ごとに異なる(東京都は設立から15日以内) |
| 労働保険の保険関係成立届 | 労働基準監督署 | 従業員を雇った日の翌日から10日以内 |
| 雇用保険適用事業所設置届 | ハローワーク | 従業員を雇った日の翌日から10日以内 |
| 給与支払事務所等の開設届出書 | 税務署 | 開設から1か月以内 |
| 法人設立届出書 | 税務署 | 設立日から2か月以内 |
| 青色申告の承認申請書 | 税務署 | 設立日から3か月を経過した日と、最初の事業年度終了日のいずれか早い日の前日まで |
| 役員報酬の決定 | 社内(株主総会など) | 設立日から3か月以内が目安 |
| 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 | 税務署 | 随時(給与を支払う人が常時10人未満の場合) |
| 適格請求書発行事業者の登録申請 | 税務署 | 必要に応じて(設立した事業年度中の申請で、設立日から登録可) |
税務署への届出
法人設立届出書(設立から2か月以内)
会社を設立したことを税務署に知らせる届出です。定款のコピーなどを添付して提出します。e-Taxでも提出できます。
青色申告の承認申請書(期限に特に注意)
青色申告にすると、赤字を翌期以降に繰り越せる(原則10年)などの特典が受けられます。
期限を1日でも過ぎると、最初の事業年度は青色申告ができなくなるので、法人設立届出書と一緒に出すのがおすすめです。
給与支払事務所等の開設届出書(1か月以内)
役員報酬や給与を支払う場合に提出します。社長ひとりの会社でも、役員報酬を支払うなら必要です。
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
給与から差し引いた源泉所得税は、原則として毎月納付します。
給与を支払う人が常時10人未満なら、この申請をすると年2回(7月・1月)の納付にまとめられます。申請した月の翌月以後に支払う給与から対象になります。
消費税・インボイスの検討
資本金1,000万円未満で設立した会社は、原則として最初の2期は消費税の免税事業者になります(例外あり)。
取引先からインボイス(適格請求書)を求められる場合は、登録申請を検討しましょう。設立した事業年度中に申請すれば、設立日から登録を受けられます。
都道府県・市区町村への届出
法人住民税・法人事業税のため、都道府県税事務所と市区町村にも「法人設立・設置届出書」を提出します。
期限は自治体ごとに異なり、東京都は設立から15日以内です。東京23区内の会社は、都税事務所への提出だけで済みます。
税務署・都道府県・市区町村への届出は、「法人設立ワンストップサービス」を使うと、オンラインでまとめて提出できます。
社会保険・労働保険の手続き
健康保険・厚生年金保険(社長ひとりでも加入)
会社は、役員報酬を受け取る社長ひとりだけの場合でも、健康保険・厚生年金保険への加入が必要です。年金事務所に「新規適用届」を提出します(期限は5日以内)。
労働保険(従業員を雇ったら)
従業員を1人でも雇ったら、労働基準監督署に「保険関係成立届」、ハローワークに「雇用保険適用事業所設置届」などを提出します。役員だけの会社なら、原則として労働保険の手続きは不要です。
社会保険・労働保険の手続きは、社会保険労務士の専門分野です。
そのほか、早めにやっておきたいこと
- 法人口座の開設:個人の口座と分けて、お金の流れをはっきりさせます。審査に時間がかかることもあるので、早めに動きましょう。
- 会計ソフトの準備:freee会計などのクラウド会計を最初から使うと、銀行やカードの明細を自動で取り込めて、記帳がぐっと楽になります。
- 役員報酬の金額を決める:役員報酬を経費にするには、原則として毎月同じ金額(定期同額給与)にする必要があります。設立から3か月以内に金額を決めて、議事録を残しましょう。詳しくは下の「役員報酬の決め方と注意点」をご覧ください。
- 減価償却・棚卸資産の評価方法の届出(必要に応じて):何も出さなければ法定の方法になります。変えたい場合は、最初の確定申告の期限までに届け出ます。
役員報酬の決め方と注意点
役員報酬(社長の給与)は、決め方や払い方のルールを守らないと、会社の経費(損金)にならない部分が出てしまいます。設立直後は決めることが多く見落としやすいので、次のポイントを押さえておきましょう。
毎月同じ金額で払う(定期同額給与)
- 支給の間隔:1か月以下の一定の期間ごと(毎月など)に払う。年1〜2回だけまとめて払う形は当たらない
- 金額:その事業年度の中で、毎回同じ金額にする。源泉所得税・住民税・社会保険料を差し引いた手取りが同じでもよい
- 決議と議事録:金額は株主総会(または定款・取締役会)で決め、議事録を残す
金額を決めるのは設立日から3か月以内
役員報酬の金額を決めたり変えたりできるのは、原則として事業年度が始まった日から3か月を経過する日までです。設立1期目は設立日が事業年度の始まりなので、設立日から3か月以内に金額を決めて、議事録を残しましょう(たとえば4月1日設立なら6月30日まで)。
設立後しばらく無報酬にして、途中から払い始める場合の扱いについては、国税庁の明確な見解はありません。3か月を過ぎてから「0円から増額」すると、経費として認められないおそれがあります。設立後3か月以内に金額を決めて払い始めるのが安全です。
期の途中で金額を変えられるのは例外だけ
- 臨時改定事由:社長から会長になるなど役職が変わった、職務の内容が大きく変わった、病気で職務ができなくなった など
- 業績悪化改定事由:経営状況が著しく悪化した場合の減額だけ。一時的な資金繰りの都合や、業績目標に届かなかっただけでは当たらない
- これら以外で期の途中に増額・減額すると、差額の部分が経費になりません。たとえば月30万円を期の途中から月40万円に増やして6か月払うと、10万円×6か月=60万円が経費になりません
- 増額を期首にさかのぼって、差額をまとめて払う方法も認められません
役員賞与は事前確定届出給与で
役員に賞与を払って経費にするには、「事前確定届出給与に関する届出書」を期限までに税務署に出し、届け出たとおりの時期・金額で払う必要があります。新設法人が設立時に始まる職務について届け出る場合の期限は、設立の日以後2か月を経過する日までです。届出と違う金額や時期で払うと、経費になりません。詳しくは役員賞与を経費にするには?をご覧ください。報酬をいくらにするかは、役員報酬はいくらにする?(シミュレーションつき)で、パターン別に比べられます。
あわせてやること
- 給与支払事務所等の開設届出書:役員報酬を払うなら、設立から1か月以内に税務署へ(源泉徴収が必要になります)
- 源泉所得税の納期の特例:給与を払う人が常時10人未満なら、源泉所得税の納付を年2回にまとめられます
- 社会保険:役員報酬を払う会社は、社長1人でも健康保険・厚生年金に加入します(新規適用届は5日以内)。報酬が0円の役員しかいない場合は加入しません
- 個人の税金:役員報酬は社長個人の給与所得になり、給与所得控除が使えます。会社と個人の税金・社会保険料のバランスで金額を決めるのがポイントです
役員には、取締役などの法律上の役員のほか、相談役・顧問などで実際に経営に参加している人や、一定の条件にあてはまる同族会社の使用人(みなし役員)も含まれます。
税理士に依頼できること
会社設立まわりの手続きは、専門家ごとに担当が分かれています。
| 手続き | 誰に依頼するか |
|---|---|
| 税務署への届出(法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書、源泉所得税の納期の特例など) | 税理士 |
| 都道府県・市区町村への法人設立・設置届出書 | 税理士 |
| 消費税の届出、インボイス登録の申請 | 税理士 |
| 役員報酬の金額の検討(法人税・所得税・社会保険料のバランス) | 税理士 |
| 会計ソフトの初期設定、記帳の仕組みづくり | 税理士 |
| 定款の作成、設立登記 | 司法書士(定款の作成は行政書士も可) |
| 健康保険・厚生年金保険、労働保険・雇用保険の手続き | 社会保険労務士 |
| 許認可の申請(建設業許可など) | 行政書士 |
まとめ
会社を設立したら、まず税務署・都道府県・市区町村・年金事務所への届出を、期限内に済ませましょう。
特に、青色申告の承認申請と役員報酬の決定は、期限を過ぎると税金面で取り返しがつかないことがあるので要注意です。
新宿パートナーズ税理士事務所では、税務署や都税事務所などへの税務の届出をまとめて代行する「法人設立支援」をスポット業務としてお受けしています(定款作成・設立登記は除く)。届出の進め方に迷ったら、お気軽にご相談ください。
ご注意
本記事は2026年10月14日時点の法令・情報にもとづいて作成しています。税制は改正されることが多いため、お読みいただく時期によっては内容が変わっている場合があります。また、記事は一般的な情報をわかりやすくお伝えするためのもので、実際の取り扱いはお一人おひとりのご事情によって異なることがあります。内容には十分に注意しておりますが、本記事をもとにしたご判断の結果については責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。個別のご相談は、どうぞお気軽に当事務所へお問い合わせください。
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