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【よくわかるクラウド会計】freee vs マネーフォワード vs 弥生 税理士が徹底解説
公開 2025.07.04

経理や会計の業務を効率よく進めたいと考える企業にとって、クラウド会計ソフトは欠かせない存在になっています。
その中でも、freee(フリー)、マネーフォワード、弥生の三つは、機能の充実度やサポート体制、使いやすさの面で多くの中小企業や個人事業主から選ばれています。
どのソフトもよくできているため、自社にはどれが合うのか判断に迷う方も多いと思います。
この記事では、税理士の立場から、この三つのクラウド会計ソフトについて、それぞれの特徴や違いをわかりやすく整理します。
freeeを中心に、マネーフォワードや弥生との機能、料金、サポートの違いを客観的にまとめ、どのような企業に向いているのかを丁寧に解説します。さらに、導入を検討するときに確認しておきたいポイントや、実際の業務の中で感じる選び方のついてもお伝えします。
freee・マネーフォワード・弥生の基本比較
クラウド会計ソフトを検討するとき、まず知っておきたいのがそれぞれの特徴です。
どのサービスも会計処理を自動化し、経理業務を効率化できる点では共通していますが、操作の感覚や設計思想、得意とする領域には違いがあります。
ここでは、代表的な三つのクラウド会計ソフトを基本的な観点から比較してみましょう。
| 比較項目 | freee | マネーフォワードクラウド会計 | 弥生(弥生会計/弥生会計 オンライン) |
|---|---|---|---|
| 主な利用者層 | 中小企業、スタートアップ、個人事業主 | 中小企業、個人事業主、会計事務所 | 中小企業、会計事務所、経理担当者 |
| 基本コンセプト | 「誰でも、流れるように」会計業務を進められる設計。入力を一度で済ませ、自動で帳簿化。 | 会計を中心に、経費・請求・給与などバックオフィス全体を連携。データ統合と見える化に強み。 | 長年の信頼と安定性を重視。従来型操作の使いやすさを保ちつつクラウドに対応。 |
| 自動化・連携機能 | 多数の銀行・カード・電子マネーと連携。AIが仕訳を学習し自動化。 | 金融機関連携に強く、取引データを自動取得。AI仕訳と学習精度が高い。 | 弥生ドライブで税理士とデータ共有。自動連携も対応だが操作確認を重視。 |
| 操作画面の印象 | 初心者でも迷わない直感的なUI。経理未経験者に優しい設計。 | グラフ・レポートなど分析画面が充実。管理部門全体で使いやすい構成。 | 従来の会計ソフトの操作感を維持。簿記知識がある人には馴染みやすい。 |
| 料金体系 | 月額課金制(サブスクリプション方式) | 月額課金制(利用サービスの組み合わせにより変動) | 買い切り版とクラウド版の両方を用意。導入段階で選択可能。 |
| サポート体制 | チャット中心、オンラインヘルプが充実。 | メール・チャット・電話対応あり。継続率99%の運用実績。 | 電話・メール・訪問対応あり。全国サポート拠点と税理士ネットワークが充実。 |
| 導入実績・評価 | 有料課金ユーザー約62万事業所、シェア56.3%(クラウド会計No.1) | 継続率99%、満足度No.1(自社調査)。バックオフィス連携に強み。 | 会計ソフト利用者数No.1クラス(累計出荷数・業界実績)。13,000以上の提携会計事務所。 |
| 向いている企業 | 経理担当が少なく、自動化で効率を高めたい企業。 | 資金管理・経営分析まで一元化したい企業。 | 安定した操作感を重視し、税理士と密に連携したい企業。 |
それぞれのクラウド会計ソフトは、利用する人の対象や重視するポイントが少しずつ異なります。
freeeは、経理の知識がなくても扱いやすいように設計されていて、仕訳や帳簿作成の自動化など、経理が自分だけでもできる事業者に適しています。
マネーフォワードは、銀行やクレジットカードなど金融機関との連携に強く、請求・経費・給与といったバックオフィス業務を一元化したい企業に向いています。
経理だけでなく、資金繰りや経営管理までをクラウド上で完結できる点が特徴です。
弥生は、長年の実績と安定性を備え、税理士との連携やサポート体制の充実度で信頼があります。従来の操作感を保ちながらクラウド化を進められるため、紙やExcelからの移行を段階的に行いたい企業に適しています。
次のセクションでは、それぞれのソフトの特徴をもう少し詳しく見ていきます。

freee会計の特徴と向いている企業タイプ
freee会計は、経理・会計業務を「誰でも、流れるように」行えることを目的として開発されたクラウド会計ソフトです。請求・支払いから帳簿、決算、内部統制・IPOといった経営管理までを想定し、従業員1名から大企業まで幅広く対応しています。
2025年3月時点で有料課金ユーザーは62万事業所、そのうち54万社以上が法人・個人事業主として導入しています。クラウド会計ソフトの国内シェアは56.3%でNo.1(リードプラス調べ)とされており、業界でも定番格の存在となっています。
一度の入力で業務全体がつながる仕組み
freeeでは、請求や取引情報を一度入力すれば、仕訳・帳簿・決算書まで自動的に反映されます。このワンインプット設計により、重複作業や転記ミスがなくなり、経理処理が自然と効率化します。
個人事業主やフリーランス、中小規模事業者のように経理を自分で行う必要がある、経理担当が少ない現場では、データの入力と確認が同時に進むため、作業が効率化するだけでなく、属人化の軽減にもなります。
経理を軽やかにする使いやすさ
freeeの画面は、専門知識がなくても操作できるよう徹底的に考えられています。
経理の流れを案内に沿って進めるだけで処理を行うことができ、操作で迷う場面を極力なくしています。
たとえば、経営者自ら記帳するケースでも、自然な操作感で業務を進められるようになっています。
この「軽やかさ」こそ、freeeが大切にする「誰でも扱える会計」という考えに沿った特徴のひとつです。
自動化とAI学習による業務削減
銀行口座やクレジットカード、電子マネーなど、多数の金融機関・オンラインサービスと連携できます。
取引データが自動で反映され、AIが仕訳候補を提示。使えば使うほど学習精度が上がり、記帳の自動化が進みます。こうした自動取得の仕組みにより、月次処理や年次決算の事務負担を大きく減らせます。
法改正への即時対応
電子帳簿保存法やインボイス制度など、法改正への対応はfreee側で即時に行われます。
届出・保存形式・運用フローが自動で整うため、ユーザーは安心して最新制度のもとで運用を続けられます。
「法令対応のためにソフトを入れ替える」といった手間が発生しない点も、多くの企業に選ばれる理由です。
経営を見える化するレポート機能
日々の取引が自動でグラフやレポートに反映され、資金繰りや業績の推移をリアルタイムで把握できます。
締めを待たずに状況を確認できるため、支払い・投資・融資判断などを前倒しで行えます。
数字の把握がスピーディになることで、経営判断そのものが変わっていきます。
向いている企業タイプ
- 経理担当が少なく、できるだけ自動化したい中小企業
- 会計の専門知識がなくても自分で処理を進めたい個人事業主
- テレワークや複数担当でクラウド共有したい組織
- 制度改正に確実に対応しながら運用したい企業
- バックオフィスの仕組みを一から整えたい創業期の企業
マネーフォワードクラウド会計の特徴と向いている企業タイプ
マネーフォワードクラウド会計は、日々の取引データを自動で取り込み、仕訳提案からレポート作成までを一つの流れで進められるクラウド会計ソフトです。
シリーズ製品と組み合わせることで、経理・請求・経費・給与・勤怠・社会保険・電子契約まで、バックオフィス全体を同じ基盤で運用できます。
公式ではクラウド会計ソフト満足度No.1(自社調査)と契約継続率99%を掲げており、長く使われやすい点が数字に表れています。
会計業務は約1/2まで削減できると説明しており、入力作業の多い現場ほど効果を実感しやすい設計です。電子帳簿保存法やインボイス制度にも対応しているため、法改正を気にせず運用を続けられます。
取引データの自動取得と仕訳提案
銀行口座やクレジットカード、電子マネーなどと連携し、入出金や支払情報を自動で取り込みます。取り込んだデータは仕訳候補として提示されるため、手入力や転記の手間が減り、ヒューマンエラーの防止にもつながります。公式は会計業務を約半分に削減できると説明しており、複数口座・複数カードを扱う企業ほど効果が大きくなります。
これにより、手元でCSVを集めて加工する工程や、通帳・カード明細の手入力が不要になり、月次のピークを平準化できます。取引が多い業種でも、同じパターンの仕訳を学習させていくことができるため、時間節約につながります。
レポート自動作成とリアルタイム可視化
取り込んだデータはレポートに自動反映され、収支や資金繰りの流れをグラフで把握できます。締めを待たずに現状が分かるため、支払や投資のタイミング、在庫や原価の見直しを前倒しで検討できます。
それにより、月末を待つ運用から、週次や日次で今どうなっているかを前提に動ける運用に変えられます。
電子帳簿保存法・インボイス制度への対応
請求書の発行・受領、承認・保存などをクラウド上で完結できる設計で、電子帳簿保存法とインボイス制度に対応しています。紙の原本管理やファイル保管の属人的運用から離れ、監査対応や税務調査時の資料提示もスムーズになります。
スキャン保存や電子取引データの保存要件に沿った運用が実現しやすくなり、証憑の検索性が向上。差し戻しや行方不明のリスクを下げられます。
シリーズ連携でバックオフィスを一元化
マネーフォワードクラウドは経理財務(会計、経費、請求、債権・債務、固定資産、原価、連結)に加え、人事労務(給与、勤怠、年末調整、社会保険、人事管理)、法務・その他(電子契約、マイナンバー、新リース会計基準対応)まで、用途別のサービスが一覧化されています。必要なソフトから段階的に導入でき、データが相互に連携します。
請求から入金、給与や経費の計上までが同じ土台でつながるため、二重入力や部門間の齟齬が減ります。監査対応や内部統制の観点でも、証憑と会計データの紐づけが追跡しやすくなります。
高い満足度と継続率
公式はクラウド型会計ソフト利用者1,651名へのアンケート(2021年3月、自社調べ)で満足度No.1、2020年6月自社調べで契約継続率99%と明記しています。
これは、導入後も使い続けられているという表れで、現場に定着しやすいという意味でも安心です。注記にある通り、出典は同社の自社調査です。
向いている企業タイプ
マネーフォワードは、次のような企業や個人事業主に適しています。
- 銀行口座やクレジットカードを複数利用している企業
- 資金の動きをリアルタイムで把握したい企業
- 会計だけでなく請求書や経費、給与なども一括管理したい企業
- 経営分析やレポート機能を積極的に活用したい経営者
弥生の特徴と向いている企業タイプ
弥生は、長年にわたり日本の会計ソフト市場を支えてきた定番ブランドです。
2025年現在も全国で幅広く利用されており、会計だけでなく、給与計算・販売管理・確定申告など、バックオフィス業務全体を支援するシリーズとして進化しています。
クラウド化が進んだ今も、「使いやすさ」「安定性」「税理士との連携のしやすさ」という点で高く評価されており、導入実績・サポート体制の両面で安心感があります。
全国13,000以上の会計事務所と連携できる仕組み
弥生は、全国13,000以上のパートナー会計事務所(PAP制度)と提携しています。
多くの税理士が弥生を扱い慣れており、導入後も同じソフトを使ってやり取りができる点は大きな強みです。
初めて会計ソフトを導入する企業でも、税理士との連携がスムーズに進みやすく、「どのように運用すれば良いか」を実務レベルでサポートしてもらいやすい環境が整っています。
弥生ドライブで税理士とデータをリアルタイム共有
クラウド環境を使う「弥生ドライブ」を活用すれば、企業側と税理士側で同じデータを同時に確認できます。
ファイルのやり取りやバージョン違いによる混乱がなくなり、常に最新の会計データをもとにした助言や確認が可能です。税理士が現場の数字をリアルタイムで見られるため、修正提案や節税のタイミングも逃しにくくなります。
クラウド版「弥生会計 オンライン」「弥生会計 Next」で手軽に運用
弥生では、従来のインストール型ソフトだけでなく、クラウド版の「弥生会計 オンライン」や「弥生会計 Next」も提供しています。
ブラウザから利用できるため、パソコンにソフトをインストールする必要がなく、バージョンアップも自動で行われます。
これにより、法改正への対応やシステム更新のたびに作業が発生する負担を減らし、常に最新の状態で安全に使い続けられます。
クラウド版は、紙やExcelから移行する企業にとってはじめてでも扱いやすい設計になっています。
従来型の弥生の操作感を残しつつ、クラウドならではの共有性と利便性を取り入れている点が特徴です。
安定性とサポート体制の充実
弥生のもう一つの強みは、長年使われ続けてきた安定した運用とサポートです。
電話やチャットでの問い合わせはもちろん、導入支援やトラブル対応も手厚く、はじめて会計ソフトを導入する企業でも安心して利用できます。
また、サポートスタッフが全国各地に配置されており、地域密着型のフォローが受けられる点も特徴です。長く安心して使い続けられることを重視する企業にとって、弥生は相性の良い選択肢といえます。
向いている企業タイプ
- 操作やサポートに安定性を求める企業
- 税理士との連携を重視し、同じソフト環境でデータ共有したい企業
- クラウド化を進めたいが、従来の会計処理の流れも維持したい企業
- 紙やExcelから段階的にクラウドへ移行したい中小企業
- 拠点が複数あり、税理士と常に最新データを共有しておきたい企業
税理士が見るソフト選びのポイント

クラウド会計ソフトを選ぶ際は、機能や料金だけでなく、自社の業務フローや担当者のスキルなども考慮することが大切です。
どのソフトも優れた特徴を持っていますが、導入後に思ったように活用できないケースも少なくありません。
ここでは、税理士としての立場から、選定時に意識しておきたい三つの視点を紹介します。
業務の流れに合っているかを確認する
まず大切なのは、ソフトの操作性よりも、自社の業務の流れに合っているかどうかを確認することです。
たとえば、日常的に領収書の処理が多い企業や、取引先との請求書のやり取りが頻繁な企業では、それらの処理を自動化できるかが重要になります。
一方で、手作業で細かく仕訳を確認したい場合には、柔軟に入力や修正ができるソフトの方が適しています。使い勝手の良さは、実際の業務の進め方とどれだけ噛み合うかによって決まります。
顧問税理士との連携を想定して選ぶ
次に、顧問税理士や会計事務所との連携のしやすさも確認しておくとよいでしょう。
クラウド会計ソフトは、データをオンラインで共有できる点が魅力ですが、税理士によって得意とするソフトが異なります。
導入を検討する際は、顧問税理士がどのソフトに対応しているか、またデータの受け渡し方法に問題がないかを事前に確認しておくことをおすすめします。
これを怠ると、せっかく効率化を目指して導入したのに、税理士側でデータを再処理する手間が発生することがあります。
サポート体制と運用コストを考慮する
最後に、サポート体制と運用コストにも注目する必要があります。
クラウド会計ソフトは、月額課金制が主流となっているため、利用期間が長くなるほど費用面の影響が大きくなります。
料金プランの違いだけでなく、操作に困ったときにすぐ相談できる環境があるかどうかも重要です。特に、初めてクラウド会計を導入する企業では、サポートの充実度が安心感につながります。
電話やチャット、訪問対応など、どのような支援体制があるのかを確認しておくと、導入後も安定して運用できます。
クラウド会計ソフトは、どれを選んでも一定の利便性がありますが、最終的な満足度を左右するのは「自社の業務との相性」です。
導入の目的を明確にし、どの部分を効率化したいのかを整理してから選ぶことで、ソフトの機能を十分に活かすことができます。
まとめ 自社に合ったクラウド会計ソフトを選ぶために
クラウド会計ソフトは、経理や会計業務の効率化に大きく貢献するツールです。
どのサービスを選んでも、手作業を減らし、データを共有しやすくするという点では共通しています。
そのうえで、freee、マネーフォワード、弥生の三つには、それぞれ異なる強みがあります。
freeeは、会計の知識が少ない人でも使いやすく、業務を自動化しやすい仕組みが整っています。
マネーフォワードは、銀行やカードとの連携が充実しており、資金管理や経営分析をまとめて行いたい企業に向いています。
弥生会計は、長年の実績と安定性があり、これまでの会計処理を大きく変えずにクラウドへ移行したい企業に適しています。
どのソフトが最適かは、企業の規模や業務内容、担当者のスキルによって異なります。
導入を検討する際には、まず自社の課題を整理し、どの部分を効率化したいのかを明確にすることが大切です。
機能や料金の比較も重要ですが、実際の運用をイメージしながら選ぶことで、導入後の満足度が大きく変わります。
税理士として感じるのは、会計ソフトは単に数字を記録するための道具ではなく、経営判断を支える基盤だということです。
日々の業務の中で、会計データをどう活かすかを意識して使うことで、クラウド会計の価値をより実感できるはずです。ぜひ参考にしてください。
ご注意
本記事は2025年7月4日時点の法令・情報にもとづいて作成しています。税制は改正されることが多いため、お読みいただく時期によっては内容が変わっている場合があります。また、記事は一般的な情報をわかりやすくお伝えするためのもので、実際の取り扱いはお一人おひとりのご事情によって異なることがあります。内容には十分に注意しておりますが、本記事をもとにしたご判断の結果については責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。個別のご相談は、どうぞお気軽に当事務所へお問い合わせください。
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